
クレジットカードを持っていないと、周りから変に思われる?
こんな不安を解決するために、わかりやすく記事を書きました。執筆は相談実績16年以上の現役ファイナンシャルプランナー(FP)が担当しています。



現代社会ではキャッシュレス化が進む一方で、現金主義を貫く人も増えています。
この記事では、クレジットカードを持たないことのメリット・デメリットを客観的に分析。生活の不便さや信用形成、海外旅行時の注意点まで、具体例を交えてわかりやすく解説します。
ザっと読めば、クレジットカードの本質が理解できるでしょう。
現金派の方には代替手段を、迷っている方には最適なカードの選び方をご紹介しました。あなたのライフスタイルに合った、賢い選択をしてください。
クレジットカードを持ってない理由。持ってるほうがおかしい?





FP相談をしていると、「クレジットカードを持っていないのは おかしい?」と質問されることがあります。
実は現代社会において、クレジットカードを持たないことは合理的な選択肢になってきました。
なぜなら、多様なデジタル決済の普及により、クレジットカードが必須ではない時代が到来しているからです。
現金主義なら支出管理がしやすい
リアルタイムで家計が把握できる
現金を使う最大のメリットは、支出がリアルタイムで把握できること。
クレジットカードの場合は後日請求が来るまで「いくら使ったのか」が把握しづらいですが、現金ならその場で財布の中身が減るので、自然と節約意識が高まります。
たとえば月初めに食費を現金で封筒に入れ、そこから支出するようにすれば、「今月は食費にいくら使ったか」が一目瞭然でしょう。
使いすぎを防げる心理的効果
心理学的に、現金を支払う時の「痛み」はクレジットカードよりも大きいことが研究で明らかになっています。
現金を使う際には実際にお金が手元から離れるため、支出に対してより慎重になれるもの。



とくに「衝動買い」をしがちな人には、現金主義が有効です。
利息や手数料の心配が不要
クレジットカードの分割払いやリボ払いでは、知らず知らずのうちに利息がかさんでいることがあります。
いっぽう、現金払いなら こうした追加費用が一切発生せず、支払い総額が明確です。
「ついリボ払いにしてしまい、気づいたら多額の利息を払っていた」という失敗も防げるでしょう。
クレジットカードはもう古い?デジタル決済の代替手段が豊富に
電子マネーやQRコード決済が主流に
PayPayやLINE Payなどの「QRコード決済」、Suicaなどの交通系「電子マネー」が普及した現在、日常生活でクレジットカードが必須という時代は終わりつつあります。



僕はPayPay派。コンビニやスーパー、飲食店など、ほとんどの店舗で使えるよ。
デビットカードでカード決済の代用が可能
銀行口座と直結したデビットカードを使えば、クレジットカードと同じようにオンライン決済や海外での支払いが可能です。



クレジット機能がないため、使いすぎの心配もありません。節約したい人にオススメ。
サブスクリプションサービスも現金払い可能に
NetflixやAmazon Primeなどの定額サービスも、最近ではコンビニでの現金支払いが可能です。
たとえば、NetflixプリペイドカードやAmazonギフト券をコンビニで現金購入すればOK。
クレジットカードがなくても、現代のデジタルサービスを十分に楽しめます。
不正利用のストレスから解放される
カード情報漏洩のリスクゼロ
クレジットカードを持たない最大のメリットは、不正利用の心配が完全になくなること。
実際、カード情報が漏洩する事件が後を絶ちません。



現金だけで生活したほうが、デジタルセキュリティ面で安心ね。
紛失時の対応ストレスがない
クレジットカードを紛失した場合、すぐに利用停止手続きを取らないと不正利用される可能性があります。
でも 現金のみなら、たとえ財布を落としても中の現金がなくなるだけです。
心理的な安心感
クレジットカードを持っていなければ、「知らないうちに高額請求が来ていないか」という不安から解放され、精神的な余裕が生まれます。



頻繁にネットショッピングを利用していた人ほど、この安心感は大きいでしょう。


クレジットカードを持ってないのはおかしい。それは、リスクが高まるから


「クレジットカードを持っていないのはおかしい?」という話題で書き進めていますが、実はクレジットカードを持たないことで思わぬリスクに直面する可能性があります。



現代社会におけるクレジットカードの重要性を、3つの観点から詳しく解説しましょう。
生活するのに不便でしょ?
オンラインショッピングの制限
いまは多くの商品やサービスがオンラインで提供されています。
クレジットカードがないと、Amazonや楽天市場などの大手ECサイトでさえ、ショッピングにストレスを感じるでしょう。



高額商品や人気商品の予約購入は、クレジットカード決済に限定されるケースが多いよね。
「コンビニ払いや代金引換があれば十分」と思うかもしれませんが、これらの決済方法では購入できない商品も少なくありません。
サブスクリプションサービスの利用制約
NetflixやSpotify、各種クラウドサービスなどの定額制サービスは、一部現金払いも可能(先述した方法など)になりましたが、選択肢が限られる上に手続きが面倒です。



「いろんなデジタルサービスを気軽に楽しみたい」なら、クレジットカードを持ってないと不便でしょう。
緊急時の対応が難しい
急な出費が発生した時、クレジットカードがあればすぐに対応できます。
例えば、突然の病気でタクシーを使う必要が生じた場合、現金が足りなければ困りませんか?
クレジットカードは、そんな緊急時のセーフティネットとしても機能してくれるんです。


社会的信用が積み上がらない
クレジットヒストリーの重要性



日本でも、クレジットヒストリー(与信履歴)の重要性が高まっているのをご存知でしょうか?
クレジットカードを適切に利用し、期日までに返済を続けることで、あなたの「信用スコア」が形成されます。
この信用スコアは、将来的に住宅ローンや自動車ローンを組む際に大きな影響を与えることに。
「クレジットカードを持たない=信用履歴が空白」という状態は、金融機関から見ると「信用度が判断できない」というネガティブな評価につながりかねません。
キャッシュレス社会での評価
現代社会では、キャッシュレス決済ができることが一種のステータスになってきました。
ビジネスの場では、クレジットカードを持っていることが「社会的に信用できる人物」とみなされたり…。
取引先との会食や出張時など、ビジネスシーンで現金しか使えないのは“不利に働くこともある”という事実を知っておきましょう。



「あの人、クレジットカードの審査が通らないのかな?」って考えるかもね。
40代以降のカード審査が厳しくなる
「今は必要ないから」とクレジットカードを作らないでいると、後で必要になった時に困る可能性があります。



クレジットカードの審査は、年齢が上がるほど厳しくなる傾向が…。
とくに40代以降で初めてクレジットカードを作ろうとすると、審査に通りにくくなるケースが増えるようです。


海外に行くならクレジットカードは必携
ホテルやレンタカーの予約保証
海外旅行では、ほとんどのホテルやレンタカー会社がクレジットカードを予約の条件としています。



現金では予約できない場合が多いわね…。高級ホテルほど、その傾向が強い気がする。
「デポジット(保証金)としてクレジットカードの提示を求められる」というケースも珍しくありません。
為替手数料の節約
現金で両替すると、どうしても為替手数料がかさんでしまいます。
クレジットカードなら、海外での決済時に最も有利なレートが適用されるため、結果的として大きな節約に!
最近では海外利用手数料無料のカードも増えていて、現金よりもお得に使えるケースが多いんです。
緊急時のキャッシング機能
海外で現金が足りなくなった時、クレジットカードのキャッシング機能は非常に心強い味方になります。



現地のATMから現地通貨を引き出せるため、急な出費にも対応可能です。
「海外で財布を盗まれた」といった緊急時にも、クレジットカードがあれば帰国までの資金を確保できるでしょう。


「持たない」にこだわるのはおかしい。クレジットカードはこう使え!


そろそろ「クレジットカード持ってないのがおかしい?」という議論に決着をつけましょう。
実はクレジットカードって、正しく使えば生活の質を劇的に向上させる便利ツールなんです。



クレジットカードを味方にする具体的な活用術を、3つのポイントで解説します。
初心者にオススメのクレジットの選び方
まずは「低リスク」カードからスタート
クレジットカード初心者には、利用限度額が10〜30万円程度で年会費無料のカードが最適です。
例えば「楽天カード」や「EPOSカード」などがおすすめ。これらのカードは審査が通りやすく、必要以上のお金を使う心配もありません。
「とにかく簡単に作れるカードから始めて、クレジットヒストリーを築く」ことが大切。“ゴールドカードを目指す”とかナンセンスなので、やめてくださいね。
デビットカードからのステップアップが安心
クレジットカードに抵抗があるなら、まずはデビットカードでカード決済に慣れるのも一つの方法です。
三井住友銀行の「Visaデビット」やりそな銀行の「デビットカード」など、銀行口座と直結したカードなら、使った分だけ引き落とされるので安心です。



「1年間デビットカードを使いこなしたら、クレジットカードに移行する」みたいな、ステップアップ方式にしようかな。
生活に密着した特典を選ぶ
ガソリン代がお得になるカード(JALカードやANAカードなど)、スーパーのポイントが貯まりやすいカード(イオンカードなど)など、自分のライフスタイルに合った特典が付いているカードを選びましょう。
「単に持つだけでなく、日常生活で確実にメリットを享受できるカード選び」が長く使い続けるコツです。


支出管理を楽勝にして自由時間を増やそう
自動家計簿アプリと連携させる
クレジットカードは、支出管理が自動化できるのもメリット。「MoneyForward」や「Zaim」などの家計簿アプリと連携させれば、全ての支払いが自動で記録され、カテゴリー別に分析できます。



現金払いだとレシートを整理する手間がかかりますが、クレジットカードなら その手間がゼロに。忙しい人にオススメですよ。
固定費の支払いに集中活用
クレジットカードは、光熱費や通信費、サブスクリプションサービスなど「固定費の支払いに特化して使う」のも賢い方法。
いっぽう、変動費(食費や交際費など)は現金で支払うことで、自然と支出バランスが整います。
「クレジットカードの利用明細を見れば、毎月の固定費が一目瞭然」になるので、無駄な出費に気付きやすくなります。
支払日を給料日に合わせる
クレジットカードの支払日を給料日の翌日などに設定しておけば、お金の管理が驚くほどラクになります。
例えば、25日給料なら26日引き落としに設定することで、残高が明確に把握できます。
「給料が入ったらすぐにクレジットカード代を確保する」という習慣が身につけば、貯金も自然と増えていくでしょう。


信用スコアを上手に積み上げる方法
公共料金の自動引き落としで実績作り
クレジットカードで電気代やガス代などの公共料金を支払うことで、確実な返済実績を積み重ねられます。
これらの支払いは金額が一定で返済漏れのリスクも低いため、信用スコアを上げるのに最適。



「小さくても確実な返済実績をコツコツ積む」ことが、将来 大きな融資を受ける際の強みになるのね。
適正な利用額を心がける
与信枠の30%程度を目安に利用するのが理想的。
例えば、利用限度額が30万円のカードなら、9万円前後までの利用に抑えることで、信用スコアが向上しやすくなります。
「限度額いっぱいまで使わない」という自制心が、金融機関からの評価を高めるポイントです。
長期間使い続けることが重要
1枚のカードを5年以上使い続けることで、信用度が大幅に向上します。



むやみにカードを増やしたり解約したりするよりも、1枚のメインカードを長く大切に使い続ける方が効果的ですよ。
「古参のカードほど信用スコアに与える影響が大きい」ことを覚えておきましょう。


まとめ:クレジットカードを持ってないのは全然おかしくない
「クレジットカードを持ってないのはおかしい?」という問いには、正解も不正解もありません。
大切なのは、あなたのライフスタイルや金銭感覚に合った選択をすること。現金主義が合う人もいれば、クレジットカードを活用した方が快適な生活を送れる人もいるでしょう。
この記事が、単に「持つ/持たない」だけでなく、「どう活用するか」まで考えを広げるきっかけになれば嬉しいです。
もしクレジットカードの利用をスタートするなら、まずは無理のない範囲で小さく始めてみては?
反対に、現金生活にこだわりたい場合は、デジタル決済など代替手段をうまく活用すればいい。
周りの意見に惑わされず、自分にとって最適な方法を見つけてくださいね。



最後まで読んでくださって ありがとうございます。FPコラムでは ほかにもお金と生活インフラに関する記事を書いてるので、ぜひチェックしてくださいね!
【執筆者:内田 正雄(Uchida Masao)】
ファイナンシャルプランナー(FP)|住宅ローンアドバイザー|宅建士(資格者)|証券外務員一種
タヌキと出会うのが珍しくない、のんびりした郊外に住む ファイナンシャルプランナー(FP)。横浜国立大学を卒業後、ミサワホームに入社。マイホーム取得という大きな買い物をサポートするためにFP資格を取得。ライフプランを作る重要性に目覚め、住宅ローンの有料相談を展開する保険代理店などで多くの経験を積んだ。豊かなライフスタイルにつながる情報を発信中。