クレジットカードのレシートを捨てたら悪用される?正しい対策をFPが解説

クレジットカードのレシートを捨てたら悪用される?正しい対策をFPが解説

クレジットカードのレシートは捨てちゃってるけど、悪用とかされないのかしら?

こんな悩みを解決するために、わかりやすく記事を書きました。執筆は相談実績15年以上の現役ファイナンシャルプランナー(FP)が担当しています。

ファイナンシャルプランナー(FP)

FPの実務経験で得たエッセンスをギュッ!と凝縮。サクッと読み切れるボリュームです。

それでは早速「クレジットカードの不正利用から身を守る レシートの活用法」をお伝えしていきましょう。

目次

クレジットカードのレシートは悪用できるのか?

クレジットカードのレシートが悪用されるイメージ

そもそも、クレジットカードのレシートって悪用できるのかしら

ファイナンシャルプランナー(FP)

その気になれば 悪用できますが、クレジットカードの不正利用をするのに わざわざレシートを入手する必要はありません。

つまり、レシートをどれだけ厳重に管理しても クレジットカードの不正利用を完全に防ぐことはできないんです。

どういうことなのか、わかりやすく説明しましょう。

みんなはレシートどうしてる?

レシートなんて みんな捨ててるんじゃない? だって、すぐに財布がパンパンになっちゃうもん。

ファイナンシャルプランナー(FP)

ちょうどいいアンケート結果があるので、一緒に見てください。

ふだん、買い物の時にレシートを受け取る?(調査結果グラフ)

出典元:LINEリサーチ 「レシート」に関する調査

買い物のときに毎回レシートを受け取る人は、全体で7割弱。ただし、受け取ったレシートは「内容を確認したら捨てる」という人が4割弱(同 調査結果。掲載省略)でした。

いちおう受け取るけど、きちんと活用できている人は少なそうですね。

ちなみに、「毎回受け取る」人の割合は 男性より女性のほうが高く、50代女性は8割超、60代女性に至っては9割強。ほとんどの人がレシートを受け取っています。

クレジットカードのレシートには何が印字されてる?

そういえば、クレジットカードのレシートを じっくり見たことないわ。いったい、何が書いてあるの?

ファイナンシャルプランナー(FP)

クレジットカード番号は下4桁しか印字されないし、個人情報に配慮した内容になっていますよ。

クレジットカードのレシートに印字される内容(一般的な例)

・利用店舗名
・購入物品名、利用サービス名
・支払した金額
・カード番号の下4桁
・カードの有効期限
・カード会社名
・国際ブランド名

インターネットでカード決済するとき、クレジットカード番号+有効期限+セキュリティーコードの3点セットが必要です(カード名義は適当に入力しても決済されてしまうことがある)。

このうち、レシートを見てわかるのは有効期限だけ。残りの情報は推測するしかありません。

そんなの無理でしょ?

ファイナンシャルプランナー(FP)

いいえ。クレジットカード番号の下4桁、カード会社名、国際ブランド名がわかれば 10桁は確定。さらに有効期限がわかると、12桁前後まで推測できます

クレジットカード番号は14~16桁なので、レシートを見れば全桁数のうち63%~71%が確定し、75%~85%が簡単に推測できるわけです。

・16桁 : Visa、JCB、Mastercard®
・15桁 : アメリカン・エキスプレス®
・14桁 : Diners Club

悪用を避けるため ここでは詳細説明を省きますが、残りの4桁ほどはアルゴリズムを使って計算していきます。

最後はセキュリティーコード。これを見破られない限り 不正利用はできませんが。。さて、どうでしょう?

クレジットカードを悪用するのにレシートは不要

やっぱり、セキュリティーコードは大切なんだね。

ファイナンシャルプランナー(FP)

そのとおり。でも、安心はできません。セキュリティーコードを突破されてしまうことがあるんです。

クレジットカードで設定されているセキュリティコードは、3桁~4桁。まったく手がかりがなくても、3桁なら1000パターン、4桁なら10000パターンを試行すれば突き止められます

最近はセキュリティーコードを何回も間違うとロックされるECサイト(ネットショッピングのWebサイト)が増えたものの、たくさんのECサイトで試せば、正しいセキュリティーコードを割り出されてしまうかもしれません。

実際に、そういった手口で不正利用を繰り返した犯行がありました。今でもセキュリティ対策は万全ではなく、犯罪者との“イタチごっこ”が繰り返されていると考えるべきでしょう。

過去の事件

2019年3月14日。他人のクレジットカードを不正利用して旅行をしていた2人が逮捕された。
手口は、10年以上前から知られている「クレジットマスター」の利用。
クレジットカード番号には規則性があるため、他人のカード番号をアルゴリズムで推測
カード名義の入力が不要なECサイトが狙われている。

だったら、レシートが無くても不正利用できちゃうかもしれないんだよね?

ファイナンシャルプランナー(FP)

残念ながら、そうなんです。レシートをシュレッダーで細断したところで
クレジットカードの悪用を完全に避けることはできないでしょう。

ただし、クレジットカードの不正利用を防ぐのは無理でも 有効な対策はあります。誰でもできる簡単な方法なので、このあと お伝えしていきますね。

クレジットカードの悪用に負けない、レシートの活用法

クレジットカードのレシートを上手に活用するイメージ

クレジットカードの不正利用が防げないんだったら、泣き寝入りするしかないの?

ファイナンシャルプランナー(FP)

いいえ。クレジットカードの悪用から身を守る方法はあります。でも、何もせず、ボーっとしていたらダメです

備えあれば患いなし。クレジットカード会社のルールを知って、腹立たしい犯罪から あなたのお金を守りましょう。

不正利用から60日以内に連絡すれば補償してもらえる

友人がクレジットカードを悪用されたんだけど、お金はカード会社が補償してくれたって言ってたわ。

ファイナンシャルプランナー(FP)

よかったですね! ただ、どんな状況でも補償されるわけじゃありませんから、その仕組みを理解しておいてください

クレジットカードの不正利用が補償される条件

・クレジットカード会社へ連絡した日が、不正利用から60日以内

・カード契約者本人に瑕疵(落ち度)がない

(上記は一般的な条件。この機会に、自分の契約しているクレジットカードの補償条件を確認しておこう)

クレジットカードのレシートを捨てずに保管していても、不正利用に気づかないまま60日が過ぎてしまえば 補償してもらえない。FP相談の実感として、これを知らない人も少なくない印象です。

不正利用を早期発見する方法については次章で詳しく説明しますが、「契約者に落ち度がある」と言われないためには どんなことに気をつければいいのでしょうか?

もし不正利用されたら、あなたは補償してもらえる?

次の質問に「いいえ」で答えるものがあると、補償してもらえない可能性がある。

Q1)クレジットカード裏面の署名欄に、署名してある?

Q2)暗証番号は推測されやすいものではない?(誕生日などはNG)

Q3)不正利用に気づいたら、すぐに警察へ届け出た?

Q4)他人にクレジットカードを貸したりしてない?

Q5)クレジットカード会社の被害調査には協力的か?

Q6)自然災害の混乱時などに行われた不正利用か?

最初の質問2つに「いいえ」の人は、すぐに署名をして 暗証番号を変更してください

Q3)~Q5)は 不正利用の被害にあったときの対応です。全部「はい」で答えられるように行動しましょう。

なお、Q6)に書きましたが、地震や水災などの異常事態に不正利用された場合は免責(補償しない)とするのが一般的。クレジットカード会社のリスク負担が許容範囲を超えるので、これは仕方ないかもしれません。

クレジットカードの不正利用を早期発見する方法

私のクレジットカードが悪用されたら、絶対60日以内に見つけたい! どうすればいいの?

ファイナンシャルプランナー(FP)

今は気合が入っていても、面倒なやり方だと継続できません。ここでは、誰でも簡単にできる方法をご紹介しますね。

月に1回、3分で終わる「クレジットカードの不正利用 発見法」

①クレジットカードの締め日を調べ、利用期間に合わせて封筒を3つ用意する(封筒に利用期間を書く)
 例)利用期間が月初から月末、今が1月→各封筒に「1/1~1/末」「2/1~2/末」「3/1~3/末」と記入

②クレジットカードのレシートを持ち帰ったら、ひたすら封筒に入れる
 (順序はバラバラでOK)

③利用期間が終了してクレジットカードの請求が確定したら、利用明細をチェックする

④もし、見覚えのない店舗名があったら 封筒のレシートを探す

⑤該当するレシートが無ければ、クレジットカード会社へ連絡

⑥封筒が3つになったら、いちばん古いものを捨てる

 (利用年月を鉛筆で書けば、再利用可)

この方法なら月イチでOKだし、慣れれば 3分もかかりません。クレジットカードのレシートはバンバン封筒に放り込めるので、お財布がパンパンに膨れることもないでしょう。

利用明細をチェックして、不正請求かも? と感じたときだけ封筒の中を漁ればいいんです。おそらく、そんな機会は滅多に訪れないのでご安心を。(私は今まで一度もありません)

利用日から60日を過ぎれば どうせ補償してもらえないので、クレジットカードのレシートを保管しておいても意味はない。だから封筒の数は、常に3つで足ります

最近はほとんどのクレジットカード会社が、利用明細をWebに切り替えました。毎月、紙の利用明細が郵送されていた時代と比べると、チェックが疎かになっている人はいませんか?

そんなズボラさんでも、財布から出したレシートを放り込む封筒が無くなれば「仕方ない。。チェックするか」と行動できますよ。なにしろ、封筒は3つしかありませんから(笑)

レシートを活用して、クレジットカードの使い過ぎを防止する

ファイナンシャルプランナー(FP)

せっかくですから、もう一歩踏み込んだ レシートの活用法をお伝えしましょう。

レシート〇△×仕分け法

月に1回、レシートに〇△×をつけるだけ。

○: 投資(自分や家族のスキルアップや、一生の思い出になる支出)
△: 消費(生活必需品の支出)
×: 浪費(衝動買い、無駄遣い、目的のない支出)

封筒に入れてから約3か月が経過。レシートを捨てるタイミングで〇△×をつけるのがオススメ。
そのくらい時間がたつと、購買行動に対して冷静になれる。

これは「貯金ができない」という悩みで訪れた人に、FP相談でご紹介している方法です。

貯金をするのに、いちばん確実で手っ取り早い手段は節約。これは誰が考えても同じでしょう。

ところが、実際に節約を継続できる人は そう多くありません。なぜなら、最初は張り切って家計簿をつけるものの、みなさん面倒くさくて挫折してしまうから。

よくわかる! 私も これまでに何冊の家計簿を無駄にしたことか…。

ピカピカの家計簿を数ページ使っただけで放置するくらいなら、ぜひ「レシート〇△×仕分け法」を試してください。レシートを「投資・消費・浪費」の3つに仕分けすることで、自分のお金の使い方に気づけます

慣れてきたら、投資・消費・浪費の理想割合を決めてはいかがでしょうか。目標があると、意識がふだんの行動に反映されて 自然に節約できるようになっていくもの。私の経験では、消費70:浪費10:投資20 くらいからスタートするといいですよ。

まとめ:レシートを裁断しても、クレジットカードの悪用は防げない

レシートの悪用を心配したところで、クレジットカードの不正利用から身を守ることはできません。

それよりも、身に覚えのない請求(利用履歴)を60日以内に発見して、クレジットカード会社に補償してもらえる仕組みを作ったほうが得策です。

この記事でご紹介した、月に1回、3分で終わる「クレジットカードの不正利用 発見法」にトライしてくださいね。必要なのは、封筒3つだけです。

最後にもういちどポイントの復習をしましょう。

・全体の7割が 買い物をしたときにレシートを受け取るが、活用できている人は少ない。

・クレジットカードのレシートに印字される内容は、個人情報を配慮している。

・レシートの管理を厳重にしても、クレジットカードは不正利用を防ぐのは難しい。


・クレジットカード会社へ連絡した日が 不正利用から60日以内なら、損失を補償してもらえる。

・封筒が3つあれば すぐできる「クレジットカードの不正利用 発見法」は、月に1回、3分でOK。

・貯金ができなくて悩んでる人には「レシート〇△×仕分け法」がオススメ

ファイナンシャルプランナー(FP)

最後まで読んでくださって ありがとうございます。FPコラムでは ほかにもお金と生活インフラに関する記事を書いてるので、ぜひチェックしてくださいね!

執筆者:内田 正雄(Uchida Masao)】
ファイナンシャルプランナー(FP)|住宅ローンアドバイザー|宅建士(資格者)|証券外務員一種

タヌキと出会うのが珍しくない、のんびりした郊外に住む ファイナンシャルプランナー(FP)。横浜国立大学を卒業後、ミサワホームに入社。マイホーム取得という大きな買い物をサポートするためにFP資格を取得。ライフプランを作る重要性に目覚め、住宅ローンの有料相談を展開する保険代理店などで多くの経験を積んだ。豊かなライフスタイルにつながる情報を発信中。

 

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