仕事で疲れてるのに、私ばっかり家事をやらされてヘトヘト…。共働きって本当にバカバカしいわ。
こんな悩みを解決するために、わかりやすく記事を書きました。執筆は相談実績15年以上の現役ファイナンシャルプランナー(FP)が担当しています。
FP相談でもよく耳にします。家事は休みがないので、めちゃくちゃストレスが溜まりますよね。
FPの実務経験で得たエッセンスをギュッ!と凝縮。サクッと読み切れるボリュームにまとめたので、読めば わずか数分で「夫の協力を得て、毎日ハッピーに暮らす方法」をイメージできるでしょう。
共働きなんてバカバカしい!と嫌になる理由
皿洗いとかゴミ出しは僕がやってるのに、妻はいつも機嫌悪いんだよなぁ…。
夫婦のあいだで認識がズレてるんじゃないでしょうか? おそらく、家事のボリュームが全然足りてないと思いますよ。
ご相談にいらした夫婦でいちばん多かったのが このパターンでした。たとえば、奥様は「妻7割:夫3割」で家事を分担したいのに、ご主人は1~2割しかやってくれないとか。
そうしたギャップから生まれた不満が、じわじわストレスを与えるんです。
夫が家事全体のボリュームを把握していない
夫婦のあいだで認識のズレがおきるのは、なぜ?
家事に不慣れなご主人は、全体像をつかめてないのかもしれません。
「家事の〇割を分担する」って決めるなら、全体のボリュームを共有する必要があります。私のFP経験では、これができていない夫婦が意外に多かったんです。
家事分担を「妻7割:夫3割」とした場合
【妻が認識している家事全体のボリューム=100】
夫の分担 30 (100×0.3=30)
【夫が認識している家事全体のボリューム=60】
夫の分担 18 (60×0.3=18)
夫は18で満足しているが、妻は30だと思っている(12も足りず不満)
これは調査結果でも明らか。下の1段目のグラフにおいて、いちばん左の「妻10割」では、女性が23%と回答しているのに対し男性は8%で、12ポイントもギャップがあります。夫に見えていない家事がある証拠ですね。
家事全体のボリュームを共有するにはどうしたらいいの?
ちょっと面倒ですが、奥様が把握している家事を全部書き出してリスト化しましょう。
できあがった家事リストをもとに分担を決めれば、認識のズレは無くなります。
ちなみに 先ほどのグラフ2段目は、家計の主な収入源別に分担割合を調査した結果です。夫の収入が多い家庭の分担割合は、「妻9割:夫1割」が最多。いっぽう夫婦同じ収入でも「妻7割:夫3割」という回答がトップで、不公平感が浮き彫りになったと言えるでしょう。
夫の家事レベルが低すぎて、むしろ邪魔
食事の準備がいちばん大変なのに、夫が作れるのはカレーくらい。中途半端に手伝われても邪魔なだけよ。
たしかに…。仕事で疲れて帰宅し、パパっと手際よく食事を作れるような男性は希少かもしれません。
下の調査結果を見ても、「献立を考える」男性は17%しかいません。「複数メニューの同時調理」にいたっては、わずか11%です。
ただし、食事に関する家事でも 夫にできることはありそうです。調査の選択肢から抜き出してみましょう。
・下ごしらえ(切る、皮をむくなど)
・食材の買い出し
・食器洗い、乾燥
・残った食材の保管、管理
・食器、調理器具の収納
・コンロなど調理機器の掃除、手入れ
夫には、こうした家事から分担してもらってはいかがでしょうか?
FP相談のご夫婦も、このやり方で奥様の負担がグンと減りました。相手の苦手なことをやらせるより、お互いのメリットが断然大きいですよ。
もはや、なんのために結婚したのか疑問
夫は「仕事で疲れてるから」って家事をなんにもしない。こんなバカバカしい生活なら、結婚しなきゃよかった。
共働きでそれはひどいですね。ただ、本当に疲労が理由なら救いようがあります。
家事に必要なのは「やる気」と「時間」と「体力」。ご主人は疲れて家事ができないんだから、体力の問題です。
とはいえ、なにも「10km走れ」ってわけじゃありません。とりあえず、洗濯物を畳んでしまうだけでも全然OKでしょう。時間だって30分もかからないはず。
下の調査結果をご覧ください。家事をする男性が1日に費やす時間は せいぜい1時間~2時間未満で、なんなら1時間未満という人も22%います。
もし、この程度のことが「疲れてできない」なら、やる気がないだけ。
FP相談で遭遇する「家事をやりたくない夫」も、言い訳は「仕事が忙しくて時間がない」か、「仕事で疲れてる」ですよ。
よほどのブラック企業に勤めてなければ、「時間」と「体力」の問題は解決できます。ダラダラ残業をスパッとやめ、集中して仕事を片付ければ、帰宅後に家事をする時間くらいは確保できるもの。そうすれば、仕事で体力を使い切ることもありません。
いっぽう、「やる気」を出させるには 夫の意識変化が必要。
次章でお伝えする3ステップで 少しずつ改善していきましょう。わたしのFP相談でも 効果を実証済みですから、ぜひお試しください。
共働きがバカバカしいと思わなくなる3ステップ
夫が進んで家事をやってくれるようになったら、どれだけ嬉しいことか…。
きっと、そうなりますよ! ご主人だって、役に立って喜んでもらえたらハッピーになるんですから。
ここからは、私がご相談者に実践していただいている3ステップをご紹介します。
難しく考えず、素直に取り組んだ人ほど状況が好転。バカバカしいと思っていた共働き生活が、イキイキと張り合いのあるものに変わっていきました。
それでは早速、スタートしましょう。
Step1:夫にやってもらう家事を決める
まず、なにから始めればいいのかしら?
ご主人にやってほしい家事を決めましょう。スキルに関係なくできるものがいいですね。
調査結果で人気だったのは、掃除、育児または介助・介護、食事、洗濯、買い物、家計管理、の順でした。
掃除はダントツの1位ですね。キレイにしたい場所によっては、けっこうチカラ仕事。さほどスキルも必要としないので、男性向きと言えます。
ジャンルが決まったら、具体的な家事まで決めていきましょう。知的家事プロデューサーの本間朝子さん監修「家事シェアシート」が役に立つので、参考にしてください。
スマホで読んでいて「文字が小さいな…。」という人は家事シェアシートをタップしてください。拡大して読みやすくなりますよ。
ちなみに、男性がやってる家事の第1位は「ごみ袋の取り替え」だそうです。ちょっと簡単すぎますね(笑)
さぁ、夫にやってほしい家事が決まったら、次のステップに進みましょう!
Step2:夫婦で話し合いの機会をもつ
ぜんぜん協力してくれない夫が、家事を分担してくれるかしら…。
最初は、話し合いの機会をもつだけでOK。焦らず、ゆっくりコミュニケーションをとって、夫の理解を得てください。
FP相談で家事分担に悩まれる奥様を見ていて、つくづく思うことがあります。それは「感情的になり過ぎると、人は 冷静な判断ができなくなる」ということ。
【感情的な人】
お互い仕事して疲れてるのに、なんで私ばっかり家事をやらなきゃいけないの?
→ アイツ(旦那)、ゲームなんかしてないで洗い物くらいしろよ(怒鳴られた夫は 知らんぷり)
→ あ~、共働きなんてバカバカしくてやってらんない!
→ 結果:何も解決せず、夫婦仲は悪くなるばかり…。
【論理的な人】
お互い仕事して疲れてるから、2人で分担してサッサと家事を終わらせたいなぁ。
→ 旦那は完璧主義だから、掃除や洗い物は得意かも。私が不機嫌だと空気も悪くなるしね。
→ 家事をやってもらうと、私の幸福度がめちゃくちゃアップするって伝えよう!
→ 結果:夫が進んで協力してくれるようになって、夫婦円満。
「話し合い」といっても、特別なことは何もありません。毎日一緒に暮らしてる相手ですから、その気になれば チャンスはいくらでもあるはず。
たとえば、時間と気持ちに余裕のある日曜日に、食事をしながら話してみてはいかがでしょう? 普段と気分を変えるために、外食でもいいですね。
① 感謝の気持ちを伝える。 例「毎日お仕事がんばってくれてありがとう」
② 家事の重要性を理解してもらう。 例「衣食住のすべて、家事労働が欠かせないのよね」
③ 家事分担の認識を尋ねる。 例「いま、夫婦の家事バランスってどうかな?」
④ 家事の全体ボリュームを共有する。 例「 いつもやってる家事をリストにしたから見てくれる?」
⑤ 自分の負担感を認識させる。 例「家事のせいで睡眠不足。いつも機嫌が悪くてごめん…。」
⑥ 夫に担当してほしい家事を提案する。 例「やってもらえたら嬉しい家事を書き出してみたの」
最初に感謝の気持ちを伝えましょう。たいていの人は「ありがとう」と言われたら、何かしてあげたくなるものです。
FP相談で このやり方を提案すると、たまに言われるのが「なんで私が、あんなヤツに媚びなきゃなんないのよ!」的なセリフ。もう、この時点で感情的になってますよね。
媚びるんじゃありません。夫に家事をやらせるために、いちばん有利な手段を使うんです。
それから、もうひとつ。「夫婦の会話が増えると、それだけで幸福度が高まる」って知ってましたか? 嘘だと思うなら、ぜひお試しあれ。トライした奥様たちは、みんなハッピーになってますよ。
Step3:習慣化のコツとマンネリ防止対策
とりあえず、食器洗いをやってくれることになったわ!
それはよかった! でもここからが正念場なんです。習慣化するまでは、気を抜かないでください。
まず忘れてはいけないのが感謝。しつこいくらいで丁度いいから、あえて繰り返しますね。
今までやっていなかった「食器洗い」という家事が、ご主人の脳に“新しい習慣”として受け入れられるまでは ものすごく負担に感じるでしょう。
習慣が身につくまでの所要日数は21日間と言われています。この期間は意識的に、たくさんの「ありがとう」を伝えてください。
もちろん、感謝の気持ちはずっと伝え続けていいですよ(笑) ただ、習慣化してしまえば「食器を洗わないと気持ち悪い」くらいになるもの。ほっといても大丈夫です。
ただ、うまく習慣にできても マンネリという敵が待ち受けているからご注意を。「食器洗いに飽きて、やらなくなっちゃう」というパターンで、男性にこの傾向が強い気がします。
【見られてる感】
食器洗いや ごみ出しは サボったらすぐバレるが、お風呂や排水口の掃除はサボりやすい。
→ 家事分担表を書いたホワイトボードを用意。担当の家事が完了したらマグネットをくっつける。
【意見交換】
家事は孤独。気づいたことを共有する場がないと、つまらない労働になる。
→ 月に1回「家事ミーティング」を開催。不満や要望など、なんでも気兼ねなく話し合う。
【スキルアップ&時短】
同じことを繰り返してれば飽きて当然。でも、進歩があれば楽しくなる。
→ 簡単にキレイにする方法があれば すぐ共有。時短グッズを見つけたらどんどん採用しよう。
夫が洗った食器に汚れが残っていても、文句を言ってはいけません。さりげなく、正しい洗い方をアドバイスしてあげましょう。
家事レベルが低いのは当たり前。やる気を認めて、できることから始めてもらうのが 成功の秘訣ですよ。
共働きの家計相談は、ふくろうの保険Naviにご依頼ください。FPが無料でアドバイスします。
まとめ:共働きでいつまでも悩むのが一番バカバカしい
女性の教育水準が高まって 結婚後も仕事を続ける妻が増えたのに、あいかわらず「家事は女性がやるもの」と考える男性がいる。その結果、「共働きなんてバカバカしい!」と衝動的に仕事を辞めてしまう人がいます。
よく考えて専業主婦を選択するならいいけれど、FP相談にいらっしゃる女性のなかには「仕事を辞めなきゃよかった」と後悔している方がたくさんいました。共働きには、経済的なメリット以外にも手放したくない魅力があるんですよね。
でも、この記事で「夫の協力を得る3ステップ」を学んだ あなたなら大丈夫。夫婦でバランスよく家事を分担しながら、イキイキと張り合いのある共働きライフを満喫してください。
最後にもういちどポイントの復習です。
・夫は家事の全体ボリュームを把握していないから、妻と認識のズレが起きる。
・家事レベルの低さを嘆くより、夫ができることからやってもらう。
・「仕事で疲れてるから家事ができない」は、やる気がない夫の言い訳。
・抽象的なお願いは聞き流されて終了。夫にやってほしい家事を具体的に決める。
・夫婦の話し合いは、日頃の感謝を伝えることから始める。
・夫の家事が習慣化するまでが勝負。その後はマンネリ対策で継続させる。
最後まで読んでくださって ありがとうございます。FPコラムでは ほかにもお金と生活インフラに関する記事を書いてるので、ぜひチェックしてくださいね!
【執筆者:内田 正雄(Uchida Masao)】
ファイナンシャルプランナー(FP)|住宅ローンアドバイザー|宅建士(資格者)|証券外務員一種
タヌキと出会うのが珍しくない、のんびりした郊外に住む ファイナンシャルプランナー(FP)。横浜国立大学を卒業後、ミサワホームに入社。マイホーム取得という大きな買い物をサポートするためにFP資格を取得。ライフプランを作る重要性に目覚め、住宅ローンの有料相談を展開する保険代理店などで多くの経験を積んだ。豊かなライフスタイルにつながる情報を発信中。