家の契約日が近づいてきて、マイホームブルーになりそう…。どうしたらポジティブになれるかしら?
こんな悩みを解決するために、わかりやすく記事を書きました。執筆は相談実績15年以上の現役ファイナンシャルプランナー(FP)が担当しています。
大きな判断をする時は不安になるものです。同じようなストレスを抱えた人が、FP相談にも頻繁にいらっしゃいますよ。
FPの実務経験で得たエッセンスをギュッ!と凝縮。サクッと読み切れるボリュームにまとめたので、読めば わずか数分で「住宅購入の不安を解消して、マイホームブルーを回避する方法」をイメージできるでしょう。
マイホームブルーにならないために やるべきこと
これから35年間も住宅ローンを返済していくのかと思うと、気分が落ち込むよ…。なんだか、自由を奪われる感覚って言えばいいのかな。
たしかに、気が遠くなる年月ですよね。その気持ちは よくわかります。ぜひ、これからお伝えする方法を実践して 元気を取り戻してください。
マイホームブルーになる原因は、「お金」「家」「周辺環境」という 3つのカテゴリーに分けられるんです。それぞれのカテゴリーで しっかり情報収集すれば、マイホームブルーになる可能性はグンと下げられますよ。
では、マイホームブルーを理解するところから順を追って、詳しくご説明していきましょう。
マイホームブルーってなに?
まだ私は大丈夫なんだけど、友人がマイホームブルーになったらしいわ。いったい、どんな症状が出るの?
FP相談にいらした方では、不安で仕方がない状態がしばらく続いたり、気分が落ち込んで食欲がなくなる人が多かったですね。
・家の購入をキッカケにして精神的に不安定な状態になること
・不安感が増す、気分が沈む、ひどくイライラする、などの症状が現れる
・メンタルの不調が続くと、食欲減退、不眠などの異変が生じてくる
ハウスメーカーと打合せをしている段階からマイホームブルーになる人もいれば、入居後しばらくしてから症状が現れる人も。いま大丈夫だからといって油断はできません。それは調査結果からもわかります。
マイホーム購入にあたって「不安がない」人は、たったの4%しかいませんでした。
みなさん、不安を抱えながら家を買っているわけで、誰でもマイホームブルーになる可能性があるんです。
もしマイホームブルーに陥ったら、そのまま放置したりせず、できるだけ早く周囲に相談してください。
「なぜイライラしているのか」という理由を知らない家族にしてみれば、あなたの行動は理不尽にしか映らないでしょう。夫婦喧嘩くらいで終わればまだマシで、そのまま離婚なんてことになったら大変。もはや、何のために家を購入したのかわかりません。
なぜマイホームブルーになるのか?
マイホームブルーになる原因がわかってれば、あからじめ対策しておけるよね。
そのとおりです。備えあれば患いなし。マイホームブルーになって辛い思いをしないよう、しっかり知識をつけて準備しましょう。
それでは早速、さきほどご紹介した3つのカテゴリーで説明していきますね。
お金のカテゴリー
マイホーム購入には大金が必要です。なかなか現金一括で買える人はいないので、ほとんどの人は住宅ローンを借りることになりますよね。
ところが、借金なんてしたことのない人が大半で、ましてや何千万もローンを組むなんて“手探り状態”。でも、ここで失敗すると、長く苦しい困窮生活に突入しかねません。
実は、私がFPになろうと思ったのも、ハウスメーカー勤務時代に「資金計画で戸惑うお客様」を目の当たりにしたからなんです。
下の調査結果をご覧ください。
「マイホーム購入にあたり不安になること」のダントツ1位が、お金のカテゴリーでした。
“ローン返済・維持費捻出”というのは、ずっと長い期間続いていくもの。仮に 月返済額10万円で返済期間35年なら、あなたの預金通帳に420行もマイナス100,000円が印字されるんです。
むしろ、漠然とした不安を感じないほうが不思議でしょう。
家のカテゴリー
私はハウスメーカー出身のFPなので、これまで多数のマイホーム購入をお手伝いしてきました。その経験から分かったのは、マイホームブルーの人に共通する「ビジョンの曖昧さ」と「打合せ記録の不足」です。
マイホームブルーの人には共通点があるのね。ぜひ知りたいわ。
超重要なのに見落としがちだから、詳しく説明しますね。
【ビジョン】
どんな家に住みたいのか、できるだけ具体的にイメージしておく。
・実際に新居で暮らす映像を思い浮かべてみると、理想のライフスタイルが明確になる。
・優先順位を決める(例:①明るいリビング ②カウンターキッチン ③吹き抜け)
・ハウスメーカーのWebサイトから間取りプランを集める(この段階で住宅展示場へ行くのはNG)
→お気に入りを選んでイメージファイルを作る。
【打合せ記録】
ハウスメーカーや工務店との打ち合わせは、必ず議事録を保管する。
・いつ、だれが、なにをして(言って)、どう決まったか、を証明できる。
・記録する行為が、打合せに適度な緊張を促す(いい加減なことは言えない)
・もし議事録を拒否する相手なら、購入先の候補から除外する。
→まともな会社は自分たちを守るためにも必ず議事録をとる。
・議事録は、その場で必ずチェック(都合の悪いことは書いてない可能性もある)
・次回の打合せでは、冒頭で前回の議事録を確認する。
→宿題忘れを防止できる(質問に対する回答や、決めるべきことなど)
ビジョンが曖昧な人は、入居後に「もっとこうしておけば良かった」「こんなはずじゃなかった」「思ってたのと違う」となりやすい。自分たちの希望が、ハウスメーカーや工務店に伝わってないんですから、なんとも歯がゆいです。
生活してみたら「リビングが暗い」「家事動線が悪くて不便」「収納がぜんぜん足りない」ことに気づいた、という後悔の声を、たくさん耳にします。
いっぽう、打合せ記録が不足している人は「依頼が反映されていない」「こんなの聞いてなかった」「何度も同じやりとりで疲れた」という状況に陥りやすい。議事録をとって 正しく活用していれば、防げたはずのトラブルです。
実際に、営業マンの伝達ミスが原因で 希望と違う家が建ってしまったケースでは、「言った、言わない」の泥仕合。結局、お客さんが泣き寝入りするしかありませんでした。
家は建築が進むと、簡単にやり直すことはできません。「ガマンして住まなきゃ」と思いながら 毎月住宅ローンを返済していたら、マイホームブルーになるのも頷けます。
周辺環境のカテゴリー
家を買ったら、もう気軽に引っ越せないでしょ? 新しくご近所さんになる人たちとのコミュニケーションが不安だわ…。
それが、持ち家のデメリットですよね。まずは、よくあるトラブルを知っておきましょう。
私のFP相談経験では、音や臭いに関するトラブルが多いようです。
【生活音・騒音】
赤ちゃんの泣き声、ピアノなどの楽器演奏、バイクのエンジン音など。
【タバコの煙とニオイ】
(家の中は家族に嫌がられるので)お隣のスモーカーが、庭先やバルコニーで喫煙。
→洗濯物や布団にタバコの臭いがつく、窓を開けられない、ウッドデッキに出られない。
【ペット】
早朝から犬が吠える、糞尿の臭いが不快、ガーデニング中の草花が(隣家の)飼い猫に荒らされる。
一度でもイラッとしたら、小さな音でも気になりだすのが音のトラブル。最近の家はペアガラスが標準装備で防音効果がアップしたものの、窓を開けたら効果ゼロです。網戸で過ごす機会の多い 春から秋にかけて、グンと苦情が増えます。
臭いのトラブルも厄介で、非喫煙者の家に 近隣からタバコの煙が漂ってきたら拷問でしょう。一年中窓を閉めていたとしても、洗濯物や布団が干せません。
極めつけはペット。自分たちも飼ってるならお互い様だけど、そうじゃない場合は 音と臭いの両方に悩まされることになります。しかも、飼い主にとっては大切な家族だから、苦情が言いにくいのも難点です。
3つのカテゴリー(お金、家、周辺環境)で情報収集する
いよいよ情報収集していくんだね。
はい! 信頼できる情報を効率よく集めていきましょう。
マイホーム購入はやることが盛りだくさんですから、やみくもに情報を探していたら ぜんぜん時間が足りません。3つのカテゴリーそれぞれのエキスパートから、手早くゲットしてください。
お金のカテゴリー
前の章でご紹介した「マイホーム購入にあたり不安になること」は、ダントツ1位がお金のカテゴリーでしたね。それを踏まえて、もう1つの調査結果をご覧ください。
なんと「マイホーム購入時の信頼できる情報源」では、FP(ファイナンシャルプランナー)が見当たらないんです。これには驚きました。
「ローンの返済・維持費捻出できるか」が不安な人は、家族・友人・知人やハウスメーカーに相談するのでしょうか?
お金の不安は、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してください!
私自身がFPなので なんだか宣伝みたいに聞こえますが(笑)、何千万も借金するときに 専門家のアドバイスをもらわなくて大丈夫ですか?
住宅ローンの返済や維持費捻出を問題なく続けていけるのか。これを検討するには「ライフプラン」が役に立ちます。
人それぞれ、家族構成も違えば ライフスタイルだって異なるもの。ライフプランを作れば、大きい支出を伴うイベントの有無、そのタイミングを確認できるので、計画的に備えられるようになります。
【ライフプランのキャッシュフロー表】
【ライフプランの収支推移グラフ】
ライフプランで将来の収支をシミュレーションしておけば、安心してマイホームを購入できるでしょう。
でも、FPに相談したらお金がかかるんじゃない?
じゅうぶん お金を払う価値のある相談内容だと思いますが、無料でアドバイスしてくれるFPも たくさんいるので ご安心ください。
たとえば、住宅展示場では「FP相談会」を開催しているところが多いです。以前は私もFPとして講師をしていましたが、報酬はハウスメーカーから受け取るので お客さんは無料で参加できます。
そのほか、日本FP協会の「FP無料体験相談」を利用してもいいでしょう。電話と対面が選べるし、曜日によってはZoomを使ったオンライン面談もありますよ。
【電話】
0120-211-748 : 受付時間 10:00~16:00(15:30分受付終了)土日・祝日・年末年始を除く
詳細はリンク先から確認→ FP無料体験相談(電話)※日本FP協会のサイトが別タブで開きます
【対面】
本部(東京)や大阪など全国8か所で「くらしとお金のFP相談室」を常設。予約制。
事前にリンク先から予約→ FP無料体験相談(対面)※日本FP協会のサイトが別タブで開きます
マイホーム購入の相談は、ふくろうの保険Naviでも受付中です。経験豊富なFPが、無料でアドバイスしています。
住宅ローンで困窮する理由のひとつが「子どもの教育資金」。これも、ライフプランを作れば「いつ」「どのくらい」出費が発生するのか把握できますよね。
もちろん、自分でライフプランを作ってもいいですが、FPに相談したほうが時間と労力の節約になるし、見落としている点を指摘してもらえるでしょう。
マイホームブルーを避けるために、お金の不安は確実に解消しておいてください。
家のカテゴリー
ハウスメーカーの営業さん、いい人なんだけどレスポンスが悪くて…。毎回イライラさせられるんだ。
それはいけませんね。いい家を買うには、信頼できる営業さんが必要不可欠ですよ。
私は職業柄、ハウスメーカーの営業さんと話す機会が多いのですが、控えめに言って「この人が担当だったら、ちょっと…。」と感じる人もいます。
誰だって「馬が合う(合わない)」というのはあるもので、相性の悪い営業さんと打合せ(家の打合せは、めちゃくちゃ長い!)をしているうちにマイホームブルーになった人もいました。
ここでご紹介するのは、信頼できる営業さんを 簡単に見分ける方法です。ぜひ試してみてください。
【確信を持って話しているか?】
「おそらく大丈夫だと思います」、「たぶん間に合うでしょう」なんて言葉が出たら要注意。
【報告&連絡が遅くないか?】
報告を忘れたり、やたらと時間がかかるようなら 気をつけて。
【知識不足をごまかしていないか?】
価格の違いを聞いて「それほど違いません」では困る。具体的な数字で説明できない証拠。
【決断を急がせることはないか?】
「この場で決めてください」などと、自分都合の要求をしてきたらアウト。
信頼できる営業さんを見つけたら、どんどん質問して情報収集しましょう。エキスパートの力を存分に借りれば、マイホームブルーを回避できます。
家に対する不安は、間取りや生活動線を何度もシミュレーションしながら取り除いくもの。このプロセスは設計士に任されるので、ぜひ優秀な人に担当してほしいものですよね。
これは私の感覚ですが、「優秀な設計士は、信頼できる営業さんとタッグを組んでいることが多い」と思います。一度、理由を尋ねたときは「Aさんと一緒に仕事してると楽しいから」なんて答えが返ってきました。
Aさんというのは私がずっと信頼している営業さんです。きっと「類は友を呼ぶ」ということなんでしょう。
周辺環境のカテゴリー
周辺環境のエキスパートなんているのかしら?
物件近くの不動産業者さんがオススメ。全国チェーンじゃなくて、地場の老舗みたいなところがいですね。
選ぶのは、物件を担当している不動産業者さんとは別の会社にしてください。地域密着で営業している不動産業者さんなら周辺環境を知り尽くしてるし、その物件を売らなくていいから「忖度なし」の意見が期待できます。
そのあとは、自分の足で情報を稼ぎましょう。五感を研ぎ澄まして物件周辺の雰囲気を観察してください。
次にご紹介するのは、FP相談でいつもお伝えしているチェックポイントです。
・朝、昼、夜と時間帯を変え、周辺を歩いてみる
→ 坂道がキツイ、夜は街灯が少なくて怖い、遅い時間はガラの悪い輩を見かける
・土日だけでなく、可能なかぎり 平日の様子も見ておく
→ 近くに学校があれば、想像以上に子供たちの声が気になることも…。
・音やニオイに気づけるよう、できるだけ1人で観察する
→ 誰かと話しながらでは、注意が散漫になる
・住民のタイプはどうか? (世代、派手・地味、優しそう、など)
・庭木の手入れは行き届いているか?
・道路に始末されていない犬の糞はないか?
・タバコの吸い殻は落ちていないか?
・学校までの道のりは安全か? クルマの通行量は多すぎないか?
・頻繁に通うことになりそうなスーパーの、品揃えと価格はどうか?
周辺環境の理解を深めれば、新生活の不安をグンと減らせます。マイホームブルーに陥らないために、労を惜しまないこと。エキスパートの意見を聞きつつ、物件周辺に何度も足を運んで情報を収集しましょう。
検討段階で もし許容範囲を超えるマイナスポイントを見つけたら、別の物件に鞍替えすればいいだけです。どうしても、その立地が気に入ってけど音が気になる場合は、家のサッシを防音タイプに変更するなど あらかじめ対策することもできますよ。
マイホームブルーになってしまったら やるべきこと
わたし、マイホームブルーになっちゃったみたい…。
まずは、いまの症状を家族に伝えてください。無理をせず、一緒に対応を考えていきましょう。
マイホーム購入では、知識も経験もないのに 手探りで進めなければならないことが目白押し。疲れが溜まって、マイホームブルーになってもおかしくありません。
そんなときは、いったんお休みしてみることです。家のことから離れて、ボーっとする時間をたっぶりとってください。プレッシャーから解放されて、少しずつ元気が出てくるかもしれません。
「よし! やっぱり家が欲しいから がんばろう」となれば再開すればいいし、「あー、もう家なんかいらないや」って気持ちのままなら 計画を白紙にしてもいいでしょう。
ただし、入居後だと サクッと手放して引っ越すわけにもいきませんから、対応策を3つのカテゴリーで説明していきます。
お金の不安:こんなに借りちゃったけど、大丈夫?
毎月赤字続きで、通帳の残高がどんどん減って…。不安で眠れないから、仕事でもミスするし、どうしよう…。
家計を立て直すには、パートナーの協力が不可欠。頼れる専門家だってたくさんいますから、ひとりで悩まず 助けを求めてくださいね。
収支がマイナスの状況を一日も早く止めなければいけません。方法はシンプルですから、すぐに行動を開始しましょう。
【住宅ローンの見直し】
金利の低い住宅ローンへ借換え。その際は、融資手数料などの諸費用に注意。
【支出を減らす】
先に固定費(通信費、保険料など)、次に変動費(食費など)を削減。
【収入を増やす】
勤務先が副業OKなら すぐに開始。面接や履歴書不要で最短1時間から働ける。
詳しいことは、こちらの記事で書いています↓ 読めば、きっと役に立ちますよ。
なお、入居から日が浅い段階で家を手放すことになれば、物件の価値が 住宅ローンの残債を下回るケースが一般的。これを「オーバーローン」と言います。仮に家を売却しても住宅ローンを完済できないので、可能なかぎり 避けましょう。
家の不満:理想とのギャップが許せない!
入居後に「もっとこうすれば良かった」とか、「イメージとちょっと違うなぁ」って気になり始めて、すごく落ち込んでるの…。
完璧な家なんてプロでも作れません。満足している部分にフォーカスしましょう。工夫次第で解決できることもありますよ。
【初心に戻る】
ヒトの満足感は、欲しかったモノを手に入れても長続きしないもの。そんなときは、マイホーム購入を思い立ったときのことを思い出してみましょう。
いちばん叶えたかった願望、たとえば「ピカピカの新築に住みたい」「広くて使いやすいカウンターキッチンで料理したい」は現実になってるはず。
あなたは今、じゅうぶん幸せだと思いませんか?
【思考を整理する】
気持ちが沈むと、思考が同じところでグルグル空回りします。後悔の無限ループみたいな感じですね。
オススメの脱出方法は、手を使って書くこと。100均ノートでいいから、不満や愚痴をガンガン書き殴ってください。それだけでも頭がスッキリしてくるでしょう。
次はその紙をパートナーに見てもらいます。気持ちを共有すると 不思議なくらい安心感が広がるし、自分では気づかなかった意外な発想が聞けたり、解決策を提案してもらえるかもしれません。
【インテリアでイメチェン】
家を建て直すのは非現実的だし、リフォームは大金が必要。でも、お気に入りのインテリアを 少しずつ揃えるくらいなら“プチ贅沢”で済みますよね。とりあえず、家具の配置を変えてみるだけでも効果あり。模様替えはカラダを動かすから、いい気分転換にもなるのでしょう。
【DIYを楽しむ】
賃貸と違って、誰にも気兼ねなくDIYできるのが マイホームの良いところ。気になるところに美しいタイルを貼ったり、オシャレな棚を作って“見せる収納”にしてみたり。アイデア次第で、我が家がどんどん素敵になりますよ。汗水たらして手を加えるほど、愛着が湧いてくるのも利点です。
FP相談の“新築あるある”で「入居した当初は あれほど気になってたのに、いつの間にか忘れてた」っていうのがあります。我が家も 子どもが傷つけたフローリングを見るたびにショックを受けてましたが、今ではその傷跡が愛おしいくらいです。まだ小さな頃に走り回っていた光景を、優しく思い出させてくれますから。
もし、どうしてもDIYでやり切れないところは、無理せず プロに依頼してくださいね。誤ってケガでもしたら、それこそ大変です。
あーでもない、こーでもないと、手を入れているうちに、気がつけばマイホームブルーを乗り越えていることでしょう。
周辺環境の不満:一生ここに住まなきゃダメ?
隣の家が神経質で耐えられないよ。ウチの植栽が少し敷地に飛び出ただけで文句を言ってくるのに、挨拶は無視するし…。ほんと嫌なヤツ。
いちばん厄介なのが隣人トラブルですよね。他人事なら 大したことなくても、いざ自分の身に降りかかってくると憂鬱になります。
事前にいくら調べても、完全には回避しきれないのが周辺環境のトラブル。
「ご近所付き合いの輪に、うまく入れない」、「隣の家が、大人数でやるBBQがうるさい」など。こういった不満は、マイホーム購入をお手伝いしたご相談者から 私も伺ったことがあります。
なかには「子どもが 予定していた保育園に入れなかった…。おかげで送り迎えが毎日大変」という奥様もいて、住む場所を変えられないことの難しさを感じました。
ひとつひとつは小さなストレスだとしても、積み重なれば大きな負担。マイホームブルーの症状を自覚したら、早めに対処してください。
【物理的に解決する】
音に関するトラブルの場合、リフォームで解決することもできます。防音仕様のサッシに取り換えたり、防音シートを貼ることで改善されるでしょう。もし可能なら、問題の隣家に接する場所を 居室から収納部屋に変更するのも有効です。
【問題の鎮静化を図る】
イラっとしても、感情的になってはいけません。その気持ちを相手にぶつければ、どんどん関係が悪化してしまいます。隣に住んでいれば、生活リズムや行動パターンが分かってくるので、できるだけ 相手と接触する機会を減らしてください。人間関係は、時間が解決してくれることも多いのです。
【思わぬ事態に備える】
あまりにも理不尽な言動を受けたりする場合は、状況を録音できるといいですね。エスカレートして、思わぬトラブルに発展したとき、証拠として活用できます。また、そうした準備をしておくことで、安心感が増すのもメリットでしょう。
問題が解決せず、どうしても耐えられないようなら、家の売却も視野に入ってきます。住宅ローンの残債と、次の家の購入資金を借りられる「住み替えローン」もありますが、融資の審査が厳しいうえ、金利が高いのでお勧めできません。
「マイホームブルーが酷くなってきた。自分のカラダを守るには、もうこれしかない」というときの、最終手段として考えてください。
まとめ:マイホームブルーを正しく知って行動しよう
マイホームを購入できるって、ほんとうに幸せなことです。
小さい頃、遠足に行くまでの(お菓子は500円まで! みたいな)準備が楽しかったように、マイホームに入居するまでのプロセスだって 本来はワクワクするはずでしょう。
それが、マイホームブルーで台無しになるなんて、悲しすぎます。
でも、この記事で「マイホーム購入の不安を解消する方法」を学んだ あなたなら大丈夫。3つのカテゴリーのエキスパートを味方にして、家づくりを満喫してください。
最後にもういちどポイントの復習です。
・家を買うときは みんな不安。誰でもマイホームブルーになり得る。
・マイホームブルーになる原因は「お金」「家」「周辺環境」。
・マイホーム購入で不安なこと、ダントツ1位はお金(ローン返済・維持費捻出できるか)。
・家づくりのビジョンが曖昧で 打合せ記録を怠ると、マイホームブルーになりやすい。
・FP、信頼できる営業、不動産業者から、効率よく情報を収集する。
・周辺環境で後悔しないために、労を惜しまず 物件に何度も足を運ぶこと。
最後まで読んでくださって ありがとうございます。FPコラムでは ほかにもお金と生活インフラに関する記事を書いてるので、ぜひチェックしてくださいね!
【執筆者:内田 正雄(Uchida Masao)】
ファイナンシャルプランナー(FP)|住宅ローンアドバイザー|宅建士(資格者)|証券外務員一種
タヌキと出会うのが珍しくない、のんびりした郊外に住む ファイナンシャルプランナー(FP)。横浜国立大学を卒業後、ミサワホームに入社。マイホーム取得という大きな買い物をサポートするためにFP資格を取得。ライフプランを作る重要性に目覚め、住宅ローンの有料相談を展開する保険代理店などで多くの経験を積んだ。豊かなライフスタイルにつながる情報を発信中。